個人開業医の税務調査の経験から(その2)
個人開業医の税務調査の経験から(その2)
個人開業医の税務調査の経験から、
開業医の先生がやらない方がいいことをお伝えします。
2 クリニックの事務をする法人を作って奥様を社長にする(パート1)
「個人の所得税は高い!」
「法人税率は安い!」
と感じている先生は多いです。
そして、
「おれ、クリニックとは別に法人作ったよ」
という話を聞きかじって
勢いで会社を作ってしまい、奥様を社長に据える先生がいらっしゃいます。
これは、ある意味では一理あるのです。
超過累進課税方式
個人の所得にかかる税金は、「超過累進課税」という方式のため、
課税所得が高くなればなるほど、
税負担率が高くなります。
一方、法人税率は、
世界各国との比較で税率が決められているところがあり、
個人にかかる税金よりも安いという印象があります。
『課税所得4000万円以上の部分で』45%です。
住民税が10%ですから、合わせると55%です。
これに対して、法人税の実効税率は、
おおよそ35%くらいだと思われます。
なぜおおよそなのかというと、
均等割りという課税所得とは関係なく負担する法人住民税があるため、
その会社の課税所得によって負担税率が異なるためです。
さて、ここで、上の『 』の部分をもう一度読み返してみてください。
・・・
・・・
・・・
『課税所得4000万円以上の部分で』
って書いてありますよね?
この文章の意味するところは????
最高税率が45%であっても、所得全部に45%の税金がかかるわけではない
では、課税所得4000万円未満の部分はどうなっているのかを見てみましょう。
例えば、課税所得が195万円未満の部分には所得税が5%しかかかりません。
課税所得が300万円の人であろうと、
課税所得が5000万円の人であろうと、
195万円未満の部分には5%の所得税しかかかっていないのです。
これに住民税10%を合わせると15%です。
もう少し上の方を見てみると、
900万円超1800万円未満の部分に関しては、
33%の税率がかかります。
住民税10%を合わせると43%です。
そして、1800万円超4000万円未満の部分に関しては、
40%(住民税を合わせると50%)の税率がかかるのです。
ちょっと長くなったので、この先はまた次回に。